最小限の手加工を施した和紙、竹、極薄のセラミックなど繊細で、時に儚く時につよい素材を媒介させ、作り上げたインスタレーション、立体作品をご覧ください。

 

 

 


 影を実体のように捉え、生け捕りにするには––––

木のフレームの全面にナイロンの布を被せ、中に和紙の立体を詰め込み背後の天井から強い光を当てる。その時立体は、透明で奥行きを奪われた影として浮上する。


 曖昧でぎこちない幾何学的な立体をフリーハンドの稜線で繋いでつくり、不定形の物が「型」から押し出されたような状態に。面には和紙、つなぎ部分はホチキスを使う。


収縮差の大きい土を和紙を挟んでスキージで塗り重ねる。何度も繰り返す。乾燥、焼成するとねじれ歪み引っ張られた各部がレリーフのような不均質な起伏を構成。製作中に結果を見越すことはほぼ適わない。 


 和紙に泥漿を塗っては上に和紙を載せる作業を繰り返す。

和紙が骨材で泥漿は繋ぎ。焼成後、和紙は灰や釉に粘土は骨材に変化。主役と脇役の逆転現象が起きる。焼成時、内部で押さえ込まれた膨大なエネルギーのせめぎ合いから、作品の外観が決定された。


利用するという概念を捨てて、竹の中から自由な言葉を引き出せないか。

節の部分を取り出し縦に薄くスライスする。色、形、硬さなどを吟味して環状に繋いだ。


竹を曲げるのでなく、曲がった竹を選んだ時点で素材という意識は皆無であった。

壁や床に固定せず箱型の展示場に竹を押し込めて自立する緊張状態に置いた。

すでに枯れて艶を失った竹が壁の硬い質感に負けてしまわないよう、演色性の強い照明を使用。



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