そのひとを仮にKさんとしよう。Kさんは、道端の雑草が気になり唐突に掃除を始め、朝礼に参加できなくなるようなこだわりの強い人だ。絵を描く時は、他の人が書き終わってもいつも一番最後まで筆を置かない。
色相対比の鮮やかな色づかいで、傍目からは出来上がって見えてもそこで筆を置かず、どんどん描き進でいくことが多い。
ある時、鮮やかな色面は暗い土色に塗りつぶされ、画面は絵の具の層で分厚く塗り固められていた。一瞬やはり途中で止めた方がよかったかという考えが頭をよぎる。
次の週、何気なく作品に目をやると、土色は乾燥した地面のようだったが、表面は無数のひび割れがに覆われ、中から鮮やかな原色が顔を覗かせていた。
付け加えると、Kさんは絵をつくる方法に基づいていつも必ず同じような作品を作ってる訳ではなく、時にはバランスよく余白を生かした表現をものにしている。
コメントをお書きください