いま視点と距離の問題に惹かれている。
交差点付近に立ったとき、車やひとと目を合わせ音や声を聞き同じ時間を共有していると感じられるのに、数百メートル先の小さく見える赤い車のドライバーとは何もコンタクトできない事実。
次々に通過する前方の人や車が、異なった時間を伴って存在するのか。かつ、そのすべてを私の視点から見通せるのが不思議だ。見えているのに連続していない感覚。
これまで、ものに触れることで、何かが起きたその状態を見せることが主眼であったとすると、無数の出来事が起きている舞台そのものへ私の関心が広がりつつあるようだ。
宇佐美智恵丸 2015年2月4日
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